厚生労働省が主催する専門家研究会は、労働基準法の改正に向け、 連続勤務の上限日数を明確化する方向で検討を進めています。 現行法では最長48日間の連続勤務が可能となっていますが、これを見直し、 14日以上の連続勤務を禁止する案が議論の中心となっていることがわかりました。
研究会は年度内に報告書をまとめる予定で、これを受けて労働政策審議会で具体的な制度改正の議論が始まる見通しです。
現在の労働基準法では、週休制が難しい場合、「変形休日制」を採用することで、 4週間を通じて4日以上の休日を確保すれば合法とされています。この制度では、たとえば最初の4日間と最後の4日間を休みにした場合、 その間の48日間は連続勤務が可能となります。 また、労使協定である「三六協定」を結ぶことで、休日労働を命じることも可能であり、 事実上連続勤務の日数に上限はない状態です。
厚労省によると、こうした制度の下で働く労働者の健康が懸念されており、研究会の場でも 「健康確保の観点から連続勤務の日数を制限すべきだ」との意見が相次いでいます。
連続勤務の日数上限については、過重労働による労災認定基準の一つである 「2週間以上の連続勤務」を参考に、13日以下に設定する案が浮上しています。 これにより、連続勤務が労働者の健康に与える影響を軽減する狙いがあります。
2019年施行の働き方改革関連法では、罰則付きの残業時間上限規制が導入されました。この法律では、 休日労働を含めた月100時間未満、2~6カ月平均で80時間未満といった基準が設けられています。 しかし、連続勤務の上限については具体的な規制がなく、今回の議論が新たな健康確保施策として注目されています。
専門家研究会での議論を踏まえ、年度内にまとめられる報告書が制度改正の土台となります。 その後、労働政策審議会での議論を経て法改正が進められる見込みです。厚労省は、 罰則付きの規制を導入することで、連続勤務が労働者の健康に及ぼす悪影響を防ぐ ことを目指しています。
労働現場の健康問題にどう対応するか。今回の制度見直しが、労働環境の改善に向けた重要な一歩となる可能性があります。
WEB労政時報「連続勤務、制度見直しへ 「14日以上禁止」軸に検討 厚労省の専門家研究会」
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